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日本のソフトウェア業界もガラパゴス

先日読んだMIT Sloan生のLiliacさんのブログ「日本のソフトウェア産業は「製造業」というエントリーが興味深かった。Sloanの教授のソフトウェア産業の比較。

Europe: Software as a science -ヨーロッパにとってソフトウェアは「科学」
Japan: Software as production -日本のソフトウェアは「製造業」
India: Software as a service -インドのソフトウェア産業は「(プロフェッショナル)サービス」
U.S.: Software as a business -アメリカのソフトウェア産業は「ビジネス」

ヨーロッパはよく知らないのでわからないが、アメリカと日本に関してはまさにその通りだと思う。インドもなんとなく想像がつく。

ソフトウェアの仕事が自動化(オートメーション)に焦点が置かれている日本

米国での大学生活のあと日本の大手電機メーカーの大型コンピュータ開発部門に就職した。その時感じたことは、日本ではコンピュータ産業は自動処理を行うためのツールと捉え、ファクトリーオートメーション(FA)などの工業ロボットと似た性質の産業だということだった。

就職したのはちょうどバブルが弾けた時期で、汎用コンピュータがまだかなりの勢いが衰え始め、米国ではSUNやHPのワークステーションで銀行システムなどが組まれ始めたころであり、ビジネスの世界ではコンピュータは勘定系処理や科学計算をする目的がメインであり、花形はハードウェアでソフトウェアはオマケ的扱いだったのでそのような考えも無理はないかもしれない。

自動化に主眼がおかれているというのはあくまでも自分の経験の範囲の印象だが、少なからずそういう傾向はあるのではないか。

日本が高度成長期に得意とした製造業、特に家電分野は目的がわかりやすかった。早く冷凍ができる冷凍冷蔵庫、高速脱水で洗濯物が乾きやすい洗濯機、小型で持ち歩きやすいラジカセなど、時間短縮や性能向上によるメリットが明確だ。

コンピュータサイエンスという学問

大学入学当初、コンピュータサイエンス学科最初の必須クラスの授業が印象深かった。「このクラスでは基本的にプログラミングはやらない。コンピュータサイエンスは問題解決の学問(Art of Problem Solving)であり、プログラミングは2次的なもの。必須科目の最初のこのクラスでは問題解決アプローチの基本を学びます」という教授の言葉がとても新鮮に感じた。

教授が言った通り、そのクラスでは毎週なぞなぞのような宿題や哲学的な難解な問題を与えられ、言語と図表ベースで問題解決手法を学んだ。その中で、「問題」というのは様々なところに存在し、何をもって解決とするかという現実的な解も様々だということを発見していったように記憶している。

日本の情報系学科がどんなカリキュラムなのか全く知識がないので比較はできないけれど、そのころの日本のコンピュータ業界は製造業系の会社が主流だったこともあり、製造業的な発想になっていったのかもしれない。

ソフトウェア=サービス

ソフトウェアは本来、人の能力をエンパワメントするレバレッジツールの役割を担うはずのものである。

能力、トレーニングが欠けている人でもブレなく共通の仕事をさせる、または能力のある人があらゆる仕事ができるようにする、情報をうまく集約することによって今まで見えなかった発見を可能にする。

しかし、日本では工程の短縮や処理の自動化に重点が置かれ、ユーザとの接点の部分の考慮が浅く、ユーザエクスペリエンス中心のものづくりがなされることが少ないのではないか。

日本人だからできないのではない

日本で優れたソフトウェアやサービスが作れないわけではないはずだ。ゲームの分野では優れたユーザエクスペリエンスを提供する素晴らしいソフトウェアをたくさん排出している。

ではどうやったらもっとクリエイティブなものが作れるのか。米国のインターネットサービス開発チームにはプログラミングチーム意外に、サービスの仕様を管理するプロダクトマネージャ、画面構成を考える情報デザイナー、デザインを作り上げるグラフィックアーチストで構成される「設計チーム」の協業で設計が進む。日本でもゲーム開発のように、「文系」「理系」が協力しあって設計を進める必要がある。

日本では携帯ブームからコンテンツプロバイダが目立つようになり、またiPhoneアプリの盛り上がりを通じて同じ「機能」を満たしていてもユーザエクスペリエンスが優れたものだけが生き残ることがいい加減見えてきたので、日本のソフトウェア業界も変化しつつあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

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